ローカルアイドルのライブ活動の中心は、「対バンライブ」です。推しのグループ以外にも、さまざまなグループが参加するのが対バンライブの特徴。当然、それぞれのグループのファンが一堂に会することになります。それぞれのファンが心置きなく楽しめるように、お互いに配慮が必要です。この記事では、アイドルの対バンライブに参加する方に意識していただきたいマナーについて解説します。
そもそも「対バン」とは?
「対バン」とは、複数のグループが参加する音楽ライブのイベントのことです。もしくは、そうしたライブに参加する推し以外のグループを指して、「対バン」と呼ぶこともあります。
対バンの語源は「バンドの対決」。このことからわかるように、もともとはアイドルのライブではなく、バンドのライブが発祥となっています。現在では、バンドのライブに限らず同じ形式のイベントは「対バン」と呼ばれるようになりました。アイドルの現場でも、対バン形式のイベントが頻繁に行われています。
対バンライブは、1つのグループのみがパフォーマンスを行うワンマンライブとは対称的なイベントとして位置づけられています。アイドルにとっては、違うグループのファンにも観てもらうことで、認知を拡大できる点がメリットです。ファンにとっても、ライブ一回分のチケット代で、一度に多くのグループのパフォーマンスを観られる点が魅力といえます。
対バンライブで途中入場・途中退場はできる?
一般的に、アイドルの対バンライブでは各グループの出演時間が告知されています。対バンのライブで、推しの出演時間を目がけて足を運び、イベントの途中で退場することは問題ないのでしょうか?
結論からいえば、推しの主演時間だけに参加して帰ることはまったく問題ありません。途中入場・途中退出をNGとするようなマナーもありませんので、自分のスケジュールに合わせてライブに参加してください。複数のライブが重なっているような日には、途中入場・途中退場を繰り返して現場を周ることも可能です。
ただし、推しを観やすい位置を確保できるとは限りません。途中入場したタイミングにはすでにほかのファンが、良い位置を確保している可能性があります。どうしても良位置を確保したい場合は、推しの出演時間にかかわらず開場時間に入場するのがおすすめです。
よくあることだから問題ないけど、最後まで観てもらえると実は嬉しいのだぽろ!
対バンライブで避けるべき「地蔵」とは?
対バンライブにおいて「地蔵」という行為は、マナー違反として認識されることがあります。「地蔵」とは、ライブ中に大きなリアクションをせず、静かに楽しむスタイルのこと。アイドルライブで対バンとなっているコールや、ヲタ芸はしません。
地蔵自体は、ライブの観覧スタイルとして認められてきています。しかし、問題となるのは他のファンにとって迷惑となるような一部の地蔵です。
お目当てのグループの出演時間に前方位置を確保するため、前の出演グループの出演時間から前方に居座る地蔵ファンが存在します。さらに、ただ位置を確保しているだけで、推し以外のパフォーマンスにはリアクションしない、といった地蔵も少なくありません。
本来、アイドルにとって最前は自分たちのファンにいてほしい位置です。自分たちのパフォーマンスに興味がなく、次のグループを待っている様子はメンバーたちにとって気持ちの良いものではありません。何よりも、こうした地蔵行為をすることによって、そのアイドルやファン全体の印象を悪くしてしまいます。
対バンライブには、多くのアイドルのファンが集います。こうした地蔵はほかのグループのファンへの配慮に欠ける行為です。アイドルの現場というコミュニティで推しグループや自分たちファンの印象を悪くしたくないなら、対バンライブで迷惑となるような地蔵行為は絶対に避けましょう。
基本的に推し以外の出演時間は、ファンの方に前方位置をゆずるようにしてください。「どうしても近くで観たい」など前方を確保したい事情がある場合は、せめて地蔵に見えないよう、ファンと同じように楽しむようにしましょう。
客席の一番後ろで地蔵している人もいるけど、静かに楽しみたいオタクはそれでもいいんだぽろ!要は、邪魔になっちゃだめだよ!ってことぽろ!
対バン相手の物販・チェキ券を買ってもいい?
「推し以外の対バン相手の物販などでお金を使っても良いの?」という疑問を持っている人がいます。
こちらも、基本的にはまったくの自由。イベントのなかで、もともとの推し以外に気に入ったグループがいれば、物販やチェキ券を購入しても問題ありません。むしろ、推し以外に素敵なアイドルグループとの出会いがあることこそ、対バンライブの醍醐味といえます。
もちろん、「自分は推し一筋!」という気持ちがあるのであればそれも自由です。物販の購入は、アイドルを応援するうえで最も直接的な援助となります。自分のお金をすべて推しに使いたいと考えるのも自然なことです。
いずれにせよ、決して非難されることはないため、気兼ねなく自由に物販でお金を使いましょう。
予想外の物販への来客は本当に飛び上がるほど嬉しいんだぽろ!
対バンに限らないアイドルライブの応援マナー
対バンに限らず、アイドルのライブにおいて問題となる行為があります。
写真や動画の撮影は代表的な例です。原則として、イベントのガイドラインで許可されていない場合、撮影行為は禁止されています。推し、対バンのグループに関係なく、独断で撮影するのはやめましょう。
過度なペンライトでの応援も考えものです。周りに配慮せずペンライトを振り回すような行為は危険ですし、「あのグループのファンは危ない」といったマイナスのイメージを与えかねません。身勝手な応援で推しの印象を悪くしないようにしましょう。
対バンライブでは思いやりの気持ちを持って参加
対バンライブでは、途中退場・途中入場、推し以外の物販購入など、観覧客として当然の権利は、マナー違反にはなりません。
ただし、自らの推しに対する愛があふれるファン同士が集まるからこそ、対バンライブでは摩擦や軋轢が生まれることがあります。そうしたトラブルを避けるためには、互いにマナーを意識することが大切です。「マナー」というと難しい印象を受けるかもしれませんが、ポイントは「お互いがお互いにとって嫌なことをしない」という思いやりの心です。アイドル、そしてすべてのファンにとって心地よい現場にするため、思いやりの心を忘れないようにしましょう。